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虫歯治療でセラミックは保険適用される?適用条件や他の選択肢も紹介

虫歯治療で使われる補綴物に、見た目が美しく仕上がり金属アレルギーの心配もないセラミックという素材がありますが、原則自由診療のため、費用が高いイメージがあるでしょう。しかし一定の条件を満たすと健康保険適用でも歯の色に近い白い詰め物・被せ物が選択できる場合があります。

この記事では、保険診療で利用することができる白い素材で製作する『CAD/CAM』のメリットやデメリット・保険適用条件・他に選択できる白い素材などを紹介します。白い素材を選ぶ際に考えたいポイントも紹介するため、検討の参考にしてください。

保険適用できるハイブリッドセラミックとは

ハイブリッドセラミック

虫歯治療で詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を選ぶ際、できるだけ自然に見える白い素材を選びたいと思う人は多いでしょう。まずは、保険適用できる白い素材『ハイブリッドセラミック』や『CAD/CAM(キャドキャム)』について紹介します。

ハイブリッドセラミックとは

ハイブリッドセラミックとは、保険診療の素材であるレジン(歯科用プラスチック)と、自由診療の素材であるセラミックの混合素材です。ハイブリッドセラミックでの治療は基本的には自由診療です。しかし金属の価格高騰や金属アレルギーの問題から、白い被せ物の保険適用範囲が徐々に拡大され、現時点ではハイブリッドセラミックによる治療が条件付きで保険適用となりました。

CAD/CAMとは

『CAD/CAM(キャドキャム)』とは、コンピューターを用いて設計や生産を行う技術のことです。CAD/CAMによって、型取りや治療時間においての患者さんの負担を軽減した治療が可能になりました。ガムのような印象材を口に入れて型取りし、それを元に石膏模型を作り歯科技工士に預け、歯科技工士はそれを元に補綴物を作る方法は、出来上がるまでに1週間程度かかります。

一方CAD/CAMの場合、口腔内スキャナーと呼ばれる小型カメラで口腔内を撮影し、データを元にコンピューターが設計、3Dプリンターで削り出す製作方法で、所要時間はおよそ1〜2時間程度です。削り出しはブロックの形の素材から行われます。このブロックが、保険適用できる白い詰め物『ハイブリッドセラミック』です。

ハイブリッドセラミックを使って、CAD/CAMシステムで製作したクラウンを『CAD/CAM冠』、インレーを『CAD/CAMインレー』といいます。この『CAD/CAM冠』『CAD/CAMインレー』は、ある一定の条件をクリアすることで保険適用となります。

CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーのメリット

CAD/CAMでのクラウンやインレーは、保険診療以外にも以下のようなメリットがあります。

  • 金属アレルギーの心配がない
  • 天然の歯に近い硬さで、噛み合わせの歯に負担がかからない
  • 何色かある中から近い色が選べる
  • 型取りや製作の精度が高いため隙間が生じにくい

保険診療の銀歯に比べると隙間が生じにくく、二次虫歯の発生リスクは低めに抑えられます。

CAD/CAM冠・インレーのデメリット

保険診療で白い歯が実現できるCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 透明感がないため、天然歯の再現は難しい
  • 経年劣化・変色がある
  • 銀歯に比べると強度が劣るため、歯ぎしり・食いしばりで欠ける可能性がある
  • 表面が劣化しやすい・傷つきやすいためプラークが付きやすい
  • 変形しやすいため、被せ物が外れるケースがある

銀歯と比べれば見た目のメリットはありますが、自由診療のセラミック素材と比較すると多くの面で劣ります。

オールセラミックとの違い

ハイブリッドセラミックのCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーとオールセラミックの違いは、外見の美しさはもちろんですが、オールセラミックの優れている点を考えると見えてきます。オールセラミックの優れている点は以下です。

  • 審美性の高さ……透明感があり、色数が多い
  • 白さが長持ち……着色・変色しにくい
  • 生体親和性の高さ……歯茎との適合性が高く炎症を起こしにくい
  • 二次虫歯になりにくい……変形しにくく隙間ができにくい。ツルツルしていて歯垢が付きにくい

補綴物には装着後に温度変化や水分の吸収による膨張・収縮を繰り返すことで自身の歯との間に隙間ができ、虫歯菌が入り込んで二次虫歯を引き起こすものがあります。また、表面にプラークが付きやすく落としにくいことも、虫歯や歯周病の原因となります。

オールセラミックはプラスチックを含まず100%セラミックでできた素材であるため、変色・変形が起こりにくく、見た目はもちろん、歯の健康面を考えても優れた素材です。

ハイブリッドセラミックの健康保険適用条件

永久歯と乳歯の歯式図。永久歯は親知らずを除いた28本、乳歯は20本でそれぞれの歯の数と種類が数字とアルファベット、歯の名称で示されている。

ハイブリッドセラミックを使ったCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーは、一定条件をクリアすると健康保険の適用が受けられます。CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーが保険適用される条件について紹介します。

適用できる歯

CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーに健康保険を適用するにあたり、治療する歯の反対側や同じ側に、きちんと噛み合わせる他の歯があるかどうかが適用条件として挙げられます。加えて、以下のどちらかの条件を満たす必要があります。

  • 治療の対象になる歯と左右同じ側に、上下に噛み合う大臼歯があり(ブリッジ含む)、治療の対象となる歯に負荷がかかり過ぎない
  • 治療の対象になる歯と左右同じ側に、上下に噛み合う大臼歯がないか、または義歯の場合、手前隣の歯が噛み合う(ブリッジ含む)

以上を踏まえて、CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーで保険適用できる歯を紹介します。条件が複雑であるため、詳細についてはクリニックに問い合わせてみましょう。

CAD/CAM冠

CAD/CAM冠の保険適用対象の歯は以下です。必須条件を満たせば、前歯と小臼歯の冠が誰でも保険適用対象になります。

必須条件
CAD/CAM冠の治療をする歯の反対側で、上下に噛み合う歯があること
適用対象の歯

無条件

  • 前歯(中切歯、側切歯、犬歯)
  • 小臼歯(4番目、5番目)

条件付き

  • 金属アレルギーの患者さんの大臼歯(6番目、7番目)※要診断書
  • 金属アレルギーでない患者さん:上下両側7番がすべて残存し、過度な咬合圧がかからない場合において下顎6番目

CAD/CAMインレー

CAD/CAMインレーの保険適用対象の歯は以下です。必須条件を満たせば、小臼歯のインレーが保険適用対象の歯になります。

必須条件
小臼歯および大臼歯の隣接面を含む複雑窩洞に限られる
適用対象の歯

無条件

  • 小臼歯(4番目、5番目)

条件付き

  • 7番目の歯が上下左右4本残っていれば大臼歯(6番目)
  • 金属アレルギーの患者さんの大臼歯(6番目、7番目)※要診断書

複雑窩洞とは、虫歯治療のために削った穴が歯の複数面にあることを指します。例えば上の面にしか穴がなければ単純窩洞であるため、2面以上に穴があることが必須条件です。

歯科医院側の基準

CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーの治療は、全てのクリニックで保険適用となるわけではありません。厚生労働省が定める基準を満たしたクリニックでのみ保険が適用されます。以下は、保険適用となるクリニックの基準です。

※参考:厚生労働省「保険診療と個別指導(歯科)」

  • 厚生労働省に施設基準の届け出を行い、認可された歯科医院である
  • 歯科補綴治療に関する専門知識、及び3年以上の経験を持つ歯科医師が在籍している
  • 厚生労働省の定める歯科用CAD/CAM装置で製作する
  • 製作する歯科医技工所との連携がとれている

今はCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーの治療を行っているクリニックが増えているため、検討している人・相談したい人はまず問い合わせしてみましょう。

ハイブリッドセラミックの保険適用の費用

保険が適用された場合の費用は、CAD/CAM冠は1万円以内、CAD/CAMインレーは5千円以内程度です。なお、自由診療で治療を受ける場合はクリニックごとで設定金額が変わります。自由診療の場合は、CAD/CAM冠は4万〜8万円、CAD/CAMインレーは3万〜4万円程度が相場です。

虫歯治療で使用される白い素材

歯の模型

虫歯治療で使用される白い素材は、ハイブリッドセラミックの他にも選択肢があります。

コンポジットレジン

コンポジットレジンは保険診療の治療で幅広く使われる歯科用プラスチックです。主にインレーに使用されます。特徴は次の通りです。

  • 歯に似た色をしている
  • 治療時間が短く済み、歯を削る量も少ない
  • 修復が比較的簡単
  • 経年で変色する
  • 噛み合わせが強いと欠ける(周囲の歯を傷つけない)

初期虫歯によく用いられる素材ですが、表面がわずかに凸凹していて、経年劣化でざらついてくるため、歯垢の付着を防ぐようケアすると良いでしょう。

硬質レジン

硬質レジンは保険診療で治療できる素材で、コンポジットレジンと同じ歯科用プラスチックですが、主にクラウンとして使われます。特徴は次の通りです。

  • 歯に似た色をしている
  • 強度は強くないため割れやすく、すり減りやすい
  • 汚れやプラークも付きやすい
  • 経年で変色する

硬質レジンの保険適用範囲は前歯・犬歯のみ、医師の判断で小臼歯までとなっており、奥歯の場合は適用外です。

オールセラミック

オールセラミックは上でも紹介した通り自由診療の治療で、ファインセラミックスと呼ばれる、しなやかさと強度を高めた陶器の素材です。特徴は次の通りです。

  • 透明感があり選べる色も多いため患者さんの天然歯に合わせた色を再現しやすい
  • 強度の高い種類もある
  • 生体親和性が高い
  • 隙間が生じにくく表面が滑らかなため、二次虫歯になりにくい
  • 変色しにくい

そもそもセラミックは使用上のすり減りや小さな傷などの損耗はあっても経年劣化がしにくいため、手入れ次第で長持ちする傾向があります。

虫歯治療で白い素材を選ぶポイント

虫歯治療で白い素材を選ぶ際は、何を基準にして選ぶのかがポイントです。白いクラウン・インレーを考える際のヒントを紹介します。

費用

費用を最重視する場合は、健康保険が適用される素材を選ぶと良いでしょう。その中でも、見た目が気になる人はコンポジットレジンが歯の色に近いためおすすめです。ただし、歯ぎしりの癖がある人や噛む力が強い人はコンポジットレジンでの治療が適さない可能性もあるため、医師と相談してみましょう。

審美性

審美性を重視する場合は、豊富な色数から選べる自由診療の素材なら望む美しさが見つかるでしょう。自由診療の素材の中にもさまざまな種類があるため、医師と相談しながら、自分の希望や治療部位に合った素材を選ぶことが大切です。

虫歯のリスク

歯は治療をしても、治療に使われた素材によっては二次虫歯になりやすく、特にクラウンの下にできた虫歯は自覚症状に乏しいため、発見が遅れることで抜歯のリスクも高まります。自由診療の素材は高額になるものの、銀歯やコンポジットレジンと比べて二次虫歯のリスクを抑えやすく、歯を守ることにつながります。

歯ぎしり・食いしばりがある

歯ぎしりや食いしばりなどがある場合、噛み合わせが強い場合などは、その力に耐えられる素材を選ぶのが適切です。自由診療となりますが、人工ダイヤモンドとも呼ばれる「ジルコニア」は強度が高く、奥歯に適しています。

ジルコニアは、オールセラミックよりも透明度が劣るといわれる素材ですが、近年は美しさを追求した「オールセラミックジルコニア」も登場しています。オールセラミックジルコニアは、ジルコニアのフレームにオールセラミックを被せたもので、ジルコニアの硬さとオールセラミックの自然な見た目を併せ持つことが特徴です。

金属アレルギー

CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーが保険適用になった理由の一つに金属アレルギーがあります。虫歯治療の白い素材は、審美性だけでなく金属アレルギーのような身体的な問題の解決策として検討することができます。金属アレルギーが心配な方は、金属を一切使用していないセラミック素材がおすすめです。

まとめ

セラミック治療は美しい歯にできるだけでなく、二次虫歯リスクを低減できるメリットもあります。しかし、単に「セラミック」といっても、種類によって特徴は異なります。ハイブリッドセラミックは一部条件付きで保険適用となりますが、プラスチックを含むため経年劣化や変色のリスクがあります。

納得できる治療を受けるためには、保険診療か自由診療かといった点だけでなく、歯の寿命・変形や変色・二次虫歯リスクなど、さまざまな面を考えたうえで検討することが大切です。

静岡のセラミック治療歯科・小嶋デンタルクリニックでは、長く快適に使用できる歯の治療として、また再治療の可能性を減らす投資として、「オールセラミック(e-max)」や「オールセラミックジルコニア」でのセラミック治療をおすすめしています。「あとは定期検診を受けていれば安心」と思えるセラミック治療になるよう、小嶋デンタルクリニックがお手伝いいたします。

セラミック治療後に虫歯になったら?治療・費用・放置のリスクなど紹介

セラミックの歯は見た目も自然で美しく、自分の歯のように使用することができますが、実際には歯ではないため虫歯にはなりません。しかしセラミック自体には問題は起きなくても、その土台となっている天然歯は虫歯になる可能性はあります。

この記事では、セラミック治療後に虫歯になった場合の症状や診断方法、虫歯になった土台を放置するリスクなどを紹介します。セラミックの土台の歯の虫歯と通常の虫歯とは違うところもあります。また、セラミックの土台の歯が虫歯になりにくい理由も紹介するため、参考にしてください。

セラミックの土台の歯が虫歯になったとき

セラミックの土台の歯が虫歯になった場合の症状と診断方法について紹介します。早期発見・早期治療で歯を守るための参考にしてください。

セラミックの土台の歯が虫歯になったときの症状

セラミックの土台の歯が虫歯になった場合、以下のような症状が見られます。

  • 噛んだ時に痛い
  • 冷たいものや甘いものがしみる
  • 歯ブラシの毛先があたると痛い
  • セラミックが取れる
  • 臭いがする
  • フロスが引っかかるようになる
  • 食べ物が詰まりやすくなる

詰め物(インレー)の場合は見た目でも分かる可能性はありますが、被せ物(クラウン)の中で虫歯になっている場合は見た目では分かりません。上のような症状が見られる場合は、虫歯がそれ以上進行してしまう前に、早々にセラミック治療をしたクリニックを受診しましょう。

セラミックの土台の虫歯の診断方法

セラミックの土台の歯が虫歯かどうかを診断するには、以下のような方法があります。

  • レントゲン
  • 拡大鏡・マイクロスコープ
  • セラミックを外して確認

レントゲンで撮影した場合は、以下のような映り方になります。

  • 金属は真っ白
  • プラスチックは少し黒い
  • セラミックは金属とプラスチックの中間くらいの色

インレーの場合は以上の色の差で診断が可能ですが、クラウンの場合はほとんど全部が白く写ってしまうため、虫歯の発見は難しくなります。金属もセラミックも、診断が困難になるため外して確認することがほとんどです。

セラミック治療をした後に虫歯が再発したら?

セラミックの歯

セラミック治療後に再度虫歯治療を行うことになった場合に押さえておきたいポイントについて紹介します。

詰め物・被せ物を外して治療する

セラミック治療を受けた歯が虫歯になった場合、治療自体は通常の虫歯治療と変わらないため、インレーもクラウンも外して治療します。外した後に虫歯を削り、必要であれば根管治療も行います。1本の歯に対して虫歯治療が可能な回数は約6回といわれています。治療回数が増えるほど神経を失うリスクが高くなり、歯の寿命は短くなるため、詰め物・被せ物を外して、しっかりと治療を行います。

虫歯治療で外したセラミックは再利用できない

虫歯治療のために外したセラミックについては、接着面が劣化していたり、土台の歯が元の形から変化している可能性があるため、基本的に再利用できません。しかし、外してみたら症状の原因が虫歯ではなかった・初期の虫歯だったなどの理由の場合に限り、再利用で対応できる場合があります。

虫歯治療後に再度虫歯になる『二次虫歯』は自覚症状に乏しいために発見が遅れがちです。運よく発見できた場合でも虫歯が進行している可能性があり、その際は新たにセラミックを作り直す必要があります。

虫歯の場合は保証対象にならない

セラミックの土台の歯が虫歯になった場合、インレーやクラウンが作り直しになる場合がありますが、虫歯が原因での作り直しはセラミックにおける保証対象にならない場合があります。セラミックは自由診療のため、治療後のトラブルに備えて保証制度を設けているクリニックが多く、その期間や内容はクリニックによって異なるため、確認が必要です。

以下は保証を受けられるケースの一例です。

  • 色調の不具合
  • 脱離
  • 抜歯(事故以外)

保証を受けるには、セラミックを長持ちさせるための定期検診や医師が推奨するメンテナンス・セルフメンテナンスなどを積極的に行うことが不可欠です。虫歯の原因がセラミックの問題ではない場合、保証対象と認められない可能性があり、その場合、セラミックの再製作の費用を改めて用意しなければなりません。

医療費控除の対象になる

虫歯治療の場合は、対象がセラミックでも医療費控除の対象になるため、治療した際の領収書等は保管しておきましょう。保険診療の場合は3割負担で治療が受けられたり高額療養費制度を利用したりできますが、セラミックは自由診療のため保険制度は利用できません。

セラミック治療は高額のためデンタルローンなども利用できますが、分割払いにした場合でもローンを組んだ際の契約書や信販会社の発行する領収書が使えます。医療費控除は保険診療分や家族の分も合算して申告できるため、詳しいことは税務課・税務署に確認してみましょう。

セラミックの土台の虫歯を放置するリスク

虫歯になった土台の歯を治療せずに放置すると、さまざまなリスクが高まります。セラミックの土台の虫歯を放置するリスクを紹介します。

放置すると歯を失う可能性がある

セラミック治療後の歯が虫歯になった場合、治療せずに放置すると歯を失う可能性があります。セラミックのクラウンも他の素材のクラウンと同様、その下で虫歯になっても気付きにくい場合があり、発見したときはすでに進行しているというケースが少なくありません。

虫歯を放置して手遅れとなると、せっかくのセラミックのインレーやクラウンが使えなくなるのはもちろん、大切な歯を失ってしまうことになります。また、抜歯をしたらそれで治療は完了ではありません。入れ歯やインプラントなどを選択し、口腔機能を回復させるための治療が必要になります。

周囲にも虫歯が広がる

虫歯は感染症のため、1本が虫歯になれば周囲の歯や身体にも影響が現れる可能性があります。また、虫歯になるということは口腔内の管理が行き届いていないということであり、虫歯だけでなく歯周病も発生している可能性があります。虫歯を治療をせずに放置すると、菌が血流によって体内に広がり、心臓病や脳梗塞・肺炎など、口腔内以外の症状につながる場合があります。これらは早めの対応で防ぐことができる場合があるため、放置せずに発見・治療に努めましょう。

口臭がきつくなる

虫歯を治療せず放置していると、歯の神経や血管を腐敗させたり(歯髄炎)、歯根に膿が溜まったりして口臭の原因になる可能性があります。口臭がきつくなっている場合、虫歯が進行し神経がすでに死んでしまっている可能性が考えられるため、顎の骨が溶けたり歯が抜け落ちたりする前に、早めの対処が必要です。

進行してからの治療は高くなる

虫歯は進行するほど治療が複雑かつ大掛かりになり、通院回数も多くなるため、治療費が高くなる可能性があります。もし抜歯が必要になるほど虫歯が進んでしまった場合、失った歯を補うための治療も必要です。入れ歯やインプラントなどの選択肢がありますが、どちらも虫歯治療より高額になる傾向にあります。

欠けたセラミック歯を放置すると虫歯になる

セラミックの歯が欠けてしまうと、欠けた部分に汚れが溜まりやすくなることが原因で土台が虫歯になる場合があります。また逆に、土台が虫歯になることでセラミックの歯の欠けが広がる原因にもなります。

セラミックの歯が欠ける一番の原因は噛み合わせの強さで、特に夜間に歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は放置せず、ナイトガードを使用するような対策が必要です。小さく欠けている場合は再製作しなくても修復できる場合がありますが、必要であれば、割れにくい素材への変更を検討しなくてはいけません。セラミックが欠けた場合は、速やかな受診が必要です。

セラミックの土台の歯が虫歯になりにくい理由

最後に、セラミックの土台の歯が虫歯になりにくい理由を紹介します。

変形しにくく隙間ができにくい

二次虫歯の主な原因は歯と補綴物の間にできる隙間ですが、セラミックは歯の間に隙間が生じにくくなっています。これは、セラミックに以下のような特徴があるためです。

  • 熱に強く、膨張が起こりにくい
  • 水分を吸収せず、着色や変色がしにくい
  • 金属を使用しないため、歯茎が黒ずむ心配がない(メタルタトゥー)

二次虫歯の主な原因は、土台の歯とインレーやクラウンとの間にできた隙間に虫歯菌が侵入することです。隙間ができる原因には、補綴物の劣化や材質上の特徴が影響しています。例えば銀歯は、食べ物の温度変化による膨張と収縮により、歯と銀歯の間に隙間や段差が生じ、虫歯菌が入り込みやすくなります。また、保険診療で使用される接着剤は、自由診療のそれに比べて接着力が低い傾向にあります。

その点セラミックは熱に強く吸水性がないため変形しにくく、自由診療では接着力の高い接着剤が使用可能です。このように、セラミックは変形しにくいうえにしっかりと接着され、美しさを保持しながら性能を保つため、虫歯になりにくくなっています。

傷が付きにくくツルツルして歯垢が付きにくい

セラミックは陶器であり、表面がツルツルとして傷が付きにくく、歯垢や汚れも付着しにくくかつ落としやすいため、虫歯のリスクを抑えられます。汚れがつきやすい歯の表面のざらつきや小さな無数の傷は、虫歯菌や歯周病菌が棲みつく原因です。セラミックは天然歯よりも歯垢がつきにくいと考えられているため、虫歯や歯周病のリスクの軽減につながります。

型取りの精度が高いため歯との密着度が高い

セラミック治療の際に行われる型取りは、保険診療で使用される銀歯やレジンの型取りと比べて精度が高いため、歯との密着度が高く仕上がります。保険診療で使われる型取り剤(印象材)は、原材料が海藻の寒天で、時間の経過による乾燥で変形する特徴があり、また型取り後外す際もちぎれることがあるため、隙間の原因となります。

一方、自由診療の型取り剤であるシリコンはちぎれにくいうえに変形もしにくく、細かい所にもしっかり入り込むため、歯と密着度の高い型を取ることが可能です。隙間のほとんどないインレーやクラウンを、接着力の高い接着剤で貼ることで、菌の侵入を防ぎます。自由診療の費用設定は、セラミックの見た目だけではなく性能を支える繊細な製作の段階のためにも十分に反映されています。

まとめ

せっかく治療してセラミックにした歯が虫歯になるのはとても残念なことです。しかしもともとセラミックは二次虫歯になりにくい素材であるため、その後のケアによって虫歯のリスクは軽減できます。セラミック歯を長く快適に利用するためにも、セルフケアと歯科医院での定期検診で虫歯予防に努めましょう。

静岡のセラミック治療歯科・小嶋デンタルクリニックでは、当院指定の3〜6ヶ月の頻度での定期検診を受けている人を対象として、最長5年間の保証をしております。

また、セラミック治療を行って1年以内での破折、色調の不具合、脱離、抜歯(事故以外)は完全無償で対応させていただきます。1年目以降も5年目まで半額負担で対応いたします。詳細をお聞きになりたい人、セラミック治療を検討したい人はぜひ一度、小嶋デンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

虫歯の詰め物は種類が豊富!メリットやデメリット・選ぶ基準を紹介

歯の模型

虫歯治療で歯を削った場合には、削った歯の機能を補うため、インレー(詰め物)かクラウン(被せ物)をします。インレーは、小さな虫歯を削った穴を埋める治療です。この記事では、インレーの種類や、インレーでの治療についての注意点を紹介します。インレーで選ぶ素材によっては治療後の経過や二次虫歯の発生のリスクに違いがあるため、参考にしてください。

インレー(詰め物)の種類

C2:象牙質内の虫歯のインレー治療

インレーは虫歯を削った場合に詰める補綴物で、虫歯の大きさによって適した素材を選ぶのが一般的です。ごく小さな虫歯にはコンポジットレジンと呼ばれる合成樹脂、もう少し大きいとインレー(中)、もっと大きな虫歯にはアンレー、大部分を削るとアンレーではなくクラウンを被せます。インレーに使われる素材の種類は以下です。

  • 自由診療
    • セラミック
    • ジルコニア
    • ゴールド
    • ハイブリッドセラミック
  • 保険診療
    • コンポジットレジン
    • 銀歯(パラジウム合金)

以下で、インレーに使われる素材について紹介します。

セラミック

セラミック

セラミックは歯科の素材の中でも審美性が高いため人気の素材です。ここでは、セラミックについて紹介します。

セラミックの特徴

セラミックは天然の歯に近い陶材で、色の選択肢が多く透明感もあるため、歯科用の補綴物の中でも自然な白い歯を表現できる素材です。着色に強く変色もほぼなく、表面がツルツルしていて汚れや歯垢も付きにくい特徴があります。あまりに強い衝撃や負荷がかかると割れる恐れがあり、歯ぎしりや食いしばりのある人は向いていない場合があります。

セラミックは自由診療

セラミックは自由診療で、クリニックごとに費用設定に違いがあり、保険診療に比べると負担が大きめです。しかしセラミックは熱や吸水によって変形しづらい特徴があり、治療後も隙間ができにくいため、二次虫歯のリスクを低減できます。

二次虫歯は自覚症状に乏しく進行しやすいため、放置すると抜歯に及ぶ危険性もあります。自然な色合いで目立たないうえに虫歯や抜歯の予防にもなるため、虫歯治療後のインレーとしておすすめする素材のひとつです。

セラミックの寿命

セラミックの寿命は約10〜15年と長めです。経年劣化はしにくい素材ですが、使用していくことで徐々に増える小さな傷や摩耗が破損に繋がる可能性はあります。また、歯ぎしりや食いしばりなどに対して対策をしないと割れる可能性があり、詰め直しが必要になる場合もあります。セラミックを長持ちさせるためにも、口腔内のケアをしっかり行いましょう。

ジルコニア

ジルコニア

ジルコニアはセラミックの一種ですが人工ダイヤモンドとも呼ばれる素材で、セラミック同様審美性の高い素材です。ジルコニアについて紹介します。

ジルコニアの特徴

ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど高い強度が特徴の素材です。ジルコニアは奥歯の使用にも耐えますが、その硬さのために噛み合わせる歯を傷つけないよう研磨や調整などが必要で、セラミックに比べ色数が少なく透明度も劣る点がありました。

しかし、小嶋デンタルクリニックで取り扱いのある「オールセラミックジルコニア」は透明感もあるため審美性にも優れています。美しさと強度を兼ね備えたインレーとしてオールセラミックジルコニアは特におすすめです。

ジルコニアは自由診療

ジルコニアでの治療は自由診療となり、保険診療に比べると費用はかかりますが、セラミックと同様の理由で二次虫歯はなりにくく、抜歯のリスクも保険適用の素材より抑えられます。高額療養費などの制度の利用はできませんが、確定申告で医療費控除の対象になるケースもあるため、領収書を保管しておきましょう。

ジルコニアの寿命

ジルコニアの寿命は10〜15年とセラミック同様長期に渡りますが、セラミックよりも損耗に強い素材です。またジルコニアセラミックの場合、小さなヒビや割れを埋めて被害が広がるのを抑えられる体積膨張という特徴があるため、耐久性に優れています。なるべく長持ちさせるために、ケアを怠らずに大切に使用しましょう。

ゴールド

ゴールド(金歯)

「金歯」と呼ばれるゴールドは金属ながらもアレルギー反応を起こしにくい素材です。ゴールドのインレーについて紹介します。

ゴールドの特徴

ゴールドは金属ですが生体親和性に優れ、二次虫歯になりにくい素材です。本来は柔らかい素材ですが、歯科用の合金のため耐久性は高められており、強度は天然歯に近いため奥歯に適しています。また、熱いものなどが口に入ってきた場合の膨張率も天然歯に近いため、他の歯にかかる負担が少なく済みます。しかし審美性に関しては目立ちやすいため、前歯には向いていません。

ゴールドは自由診療

ゴールドは自由診療でもともと費用が高めですが、価格が時価のため、製作する時期によってかかる費用が高くなる場合があります。しかし二次虫歯になるリスクが他の素材に比べて低く、歯ぎしりがある人も使用可能など、素材の性能としては優秀であるため人気の素材です。

ゴールドの寿命

ゴールドの寿命は約20年と、セラミックに比べて5〜10年ほど長く、腐食性もなく、割れる心配もないなどの理由から、一般的には問題なく長く使用できる素材です。また、装着する際に歯を多く削る必要がなく、薄く延ばしても折れることがない素材のため、歯自体にとっても負担の少ない素材といえます。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとプラスチック(レジン)を混ぜ合わせた素材で、ハイブリッドレジンとも呼ばれています。ハイブリッドセラミックについて紹介します。

ハイブリッドセラミックの特徴

一定の審美性の高さがある・金属アレルギーの人でも使用可能・保険適用される場合があるなど、セラミックとプラスチックの長所が特徴として現れている素材です。しかしセラミックより耐久性が低く、レジンが含まれることから長期使用による変色や着色の可能性があります。また、表面に多少汚れやプラークが付きやすいため、ケアには注意が必要です。

ハイブリッドセラミックは保険適用するクリニックも

ハイブリッドセラミックについては一般的には自由診療ですが、一定の条件を満たす定められた部位の場合に保険診療が可能です。以下がハイブリッドセラミックの治療における保険診療のための条件です。

  • CAD/CAMを使用して製作する
  • 強い歯ぎしりをしていない
  • 一定の施設基準をクリアするクリニックでの治療である
  • 保険適用になるとして定められた部位である

ある程度の審美性・実用性があり、安価に利用できるインレーです。

ハイブリッドセラミックの寿命

ハイブリッドセラミックの寿命は7〜8年です。硬すぎないものの削れやすく、セラミックに比べると歯垢が付きやすいため二次虫歯のリスクは低くありません。長期的な使用で変色する・歯茎が下がると境目が目立つなどで作り変えが必要となる場合があります。そのため、見た目にこだわる人には向いていないでしょう。

コンポジットレジン

コンポジットレジンを用いた虫歯治療の工程:虫歯部分除去、コンポジットレジン充填、光照射による硬化、研磨

コンポジットレジンは初期虫歯の治療に用いられるインレーで、白いプラスチックでできています。コンポジットレジンについて紹介します。

コンポジットレジンの特徴

虫歯治療の補綴物として使われる機会が多い素材で、インレーだけでなくクラウン・部分入れ歯・総入れ歯など幅広く使われています。歯の色に近い白色で、選ぶとなるとそれほど色数が多くありませんが、銀歯と比較すると目立ちにくい治療が可能です。デメリットとして光沢がない・変色する・歯垢が付きやすいなどがあります。

コンポジットレジンは保険適用

コンポジットレジンは保険適用のため安価であり、使い勝手がいい素材です。しかし水分を吸収するため着色されやすく、経年劣化で隙間ができやすいため二次虫歯のリスクも低くありません。保険適用で治療費の負担が抑えられる分、定期検診をしっかり受けて状態を維持することが大切です。

コンポジットレジンの寿命

コンポジットレジンは寿命が2〜3年と比較的短い素材です。しかし調整や再治療がしやすいため、摩耗や変色が気になってきた場合に部分的な修復も可能です。柔軟に対応できる特徴を活かし、セルフケアをしっかり行うことで、短めの寿命を伸ばすことも期待できるでしょう。

パラジウム合金(銀歯)

パラジウム合金(銀歯)

銀歯はパラジウム合金という素材で、金属アレルギーの人は使えませんが虫歯治療では一般的に使われています。パラジウム合金について紹介します。

パラジウム合金の特徴

銀の詰め物はメタルインレーとも呼ばれ、人目が届きにくい奥歯だとしても審美性に欠けているとして好まない人も少なくありません。使用しているうちに金属イオンが溶けだして、歯茎や歯に色素沈着となって黒ずむ『メタルタトゥー』という症状が見られることがあります。

病気ではありませんが著しく審美性を欠くことになります。しかし強度は十分あり、虫歯の大きさにも制限がなく利用でき、硬いものを食べて欠けたり擦り切れたりするようなことはほとんどありません。

パラジウム合金は保険適用

パラジウム合金での治療は健康保険適用で、審美性より実用性を重視したい人などに向いている、比較的安価に利用できる素材です。素材の強度はありますが歯になじみづらく、隙間ができやすいために二次虫歯のリスクが高い傾向にあります。保険診療と自由診療では、二次虫歯の可能性にも素材の違いが現れることを知っておく必要があります。

パラジウム合金の寿命

銀歯の寿命は5〜7年程度で、同じ保険診療のコンポジットレジンに比べると摩耗は少なく済みますが、温度変化によって伸縮するため耐久性への影響があると考えられます。隙間ができやすいため、劣化の状況次第では詰め直しが必要です。経年劣化によってできた隙間に歯垢が溜まると虫歯が再発する可能性があるため、セルフメンテナンスを徹底して定期検診にも通い、二次虫歯を防ぐことが大切です。

インレーの注意点

インレー(詰め物)

インレーはクラウンと比べると残っている歯が多いため、その歯をいかにケアして残せるかも重要です。最後に、インレーの注意点を紹介します。

素材によって寿命が違う

どの素材を選んでも大切に使うことは大切ですが、選んだ素材によって寿命に違いがあるため、治療の際に確認し把握しておきましょう。特に自由診療と保険診療で選べる素材には差があり、自由診療の素材の方が寿命が長い傾向にあります。

保険適用の治療は再治療率が高い

保険診療の素材は自由診療のセラミックやジルコニア・ゴールドなどと比べると再治療率が高いため、追加の費用がかかる可能性があります。

例えば、銀歯は保険適用で安価に治療できますが、二次虫歯や金属アレルギーなどのリスクがあり、寿命も長くはありません。劣化して数年後に再治療が必要になった場合、新たに費用がかかるだけでなく、再度歯を削ることになって歯の寿命も縮まってしまいます。費用だけでなく、歯の寿命や将来のことも考えて素材を選ぶことが大切です。

外れたら早めに持参して受診

もしインレーが外れた場合、自分で付け直したり放置したりせず、外れたインレーを持参し、なるべく早く治療を受けたクリニックを受診しましょう。インレーが外れると弱った歯質がむき出しになるため、その状態を放置すると虫歯の再発や噛み合わせの変化などを招きます。外れたインレーを持参すれば、再利用したり調整したりすることで治療時間が短く済む場合があります。患部を清潔に保ち、痛みがなくても早急に受診しましょう。

まとめ

虫歯治療後の補綴物に何を選択するかは、その後の経過に影響を及ぼします。自身の状況に合ったものを自由に選択できる自由診療には優れた素材が多くあります。見た目の美しさだけでなく、歯の健康を考えた場合でも、セラミックやジルコニアはおすすめの素材です。

静岡のセラミック治療歯科・小嶋デンタルクリニックでは、セラミックやジルコニアなど生体親和性の高い素材で、美しいだけでなく健康的な歯を実現します。より長く自身の歯を守るためにも、虫歯治療にはセラミックをおすすめします。ご検討の際は小嶋デンタルクリニックにぜひご相談ください。

セラミックの歯の費用ってどのくらい?素材や治療法での違いと注意点

セラミック歯には、天然歯に近い色が再現できて変色しにくい・虫歯になりにくい・アレルギーリスクが少ない・金属のように歯茎が黒ずまないなどのメリットがあります。しかし、自由診療となるため費用が気になる方も多いでしょう。この記事では、小嶋デンタルクリニックのセラミック治療でかかる費用を参考に、素材ごと・治療法ごとに紹介します。セラミックのさまざまなメリットも紹介するので、参考にしてください。

セラミックは治療法や素材で費用が変わる

セラミックを使った治療には複数の種類があります。セラミックを使用する治療法の種類は以下の通りです。

  • セラミッククラウン治療…被せ物
  • セラミックインレー治療…詰め物
  • セラミックラミネートベニア治療
    …歯の表面を削り薄いセラミックを貼り付ける
  • 1dayオールセラミック治療
    …CAD/CAM技術によって1日で完了するセラミック治療

また、セラミックという素材自体にもいくつかの種類があります。小嶋デンタルクリニックで取り扱っているセラミックは以下のとおりです。

  • オールセラミック(CEREC)/CERECジルコニア
    …コンピューターでセラミックやジルコニアの詰め物・被せ物を設計・作製
  • オールセラミックe-max
    …ガラスセラミックスを強化した素材。審美性が高い
  • オールセラミックジルコニア
    …ジルコニアのフレームにセラミックを被せたもの。強度と審美性に優れる

CERECとは

『CEREC』とはセラミックの詰め物や被せ物を自動で設計・作製するCAD/CAMシステムの名称です。CERECによって行われる「スキャン→設計→削り出し→口腔内セット」の工程にかかる時間は1〜2時間程度です。

一方、歯科技工士が作るセラミックは完全オーダーメイドのため、CERECよりも適合度の高い仕上がりになり、調整も職人技での微調整が可能です。どちらを選ぶかはどこに重点を置くかによって変わるため、よく検討して選びましょう。

1dayオールセラミック(CEREC)とは

クリニックに通う時間が確保できない人で、虫歯の程度が軽く、歯茎の腫れなどがない場合は、1日で装着まで済ませられる1dayがおすすめです。一般的な詰め物・被せ物治療では、型取りしたものを元に歯科技工士に作製を依頼し、出来上がってくるまでに1週間ほどかかります。しかし、1dayオールセラミック(CEREC)では、専用の口腔内スキャナーやシステムを使うことで、最短即日で治療を完了させることが可能です。

ただし、口腔内の状態が悪く治療が必要な場合や、治療する歯の本数が多い場合、詰め物・被せ物に特別な色を再現する場合は、すべての工程が1日で終わらない可能性もあります。「どうしても1日で治療を終わらせたい」「通院回数をできる限り減らしたい」という場合は、事前に医師に相談しましょう。

セラミック治療に使用される素材の特徴

セラミックにはいくつか種類があり、そのほとんどが自由診療ですが、新しい技術や優秀な素材、保険診療では選択できない有効な治療を選択できることがメリットです。セラミック治療に使用される素材ごとの特徴を紹介します。

オールセラミック

オールセラミックは歯科用のセラミック100%でできた素材のことで、セラミックの中でも特に美しく天然の歯に近いといわれています。色数も多く透明感もあるため、前歯に適している素材です。

セラミック治療は精度の高い型取りが可能で、素材自体も変形しにくく経年劣化しにくいため、土台の歯との隙間がほとんどできません。また、セラミックの表面はツルツルで、汚れがつきにくく落としやすいメリットがあります。このような理由により、二次虫歯になりにくい・見た目も美しい素材として、高い人気を誇っています。

ジルコニア

ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれる通り、ダイヤモンドのような強度のため、奥歯に向いている素材です。オールセラミックは審美性は高いですが割れることもあるため、歯ぎしりのある人が奥歯に使用するには問題がありました。ジルコニアは金属にしか対応できないような場合の奥歯にも使用でき、透明感はオールセラミックに敵いませんがある程度の自然な色を選ぶことができます。

小嶋デンタルクリニックで取り扱っているジルコニアは『オールセラミックジルコニア』です。強度の高いジルコニアのフレームに、審美性に優れたセラミックを被せているため、前歯にも奥歯にも使用できます。審美性も強度もどちらも譲れない人におすすめの素材です。

e-max

e-maxはセラミックの一種で、従来のセラミックと比べると審美性も耐久性も高い素材です。ガラス同様の透明度に、割れにくさと温度変化に強い特性を持たせた『ガラスセラミックス』を強化した素材で「天然の歯よりも美しく仕上がる」といわれています。

強度はオールセラミックの約3〜4倍で、天然の歯と同程度の硬さのため噛み合わせてもどちらも傷つきにくいというのが大きなメリットです。オールセラミック同様に二次虫歯になりにくいですが、審美性が高すぎて逆に浮いてしまうというデメリットもあるほど、歯に美しさを求める噛み合わせの強い人に向いています。

その他のセラミック治療の素材

その他のセラミック素材として『ハイブリッドセラミック』と『メタルボンド』があります。

ハイブリッドセラミック

セラミックとレジン(歯科用プラスチック)の混合素材

メリット
  • 健康保険が適用される場合がある
  • インレーとクラウンの両方に使用可能
  • レジンに比べると強度と耐久性がある
デメリット
  • 透明感と色調がセラミックより見劣りする
  • 経年劣化や変色がある
  • 汚れや歯垢がつきやすい
費用相場
  • インレー……3〜4万円
  • クラウン……4〜8万円

メタルボンド

中身が金属で外見にのみセラミックを使用

メリット
  • クラウンのみ
  • ほとんどの部位に使用可能
  • 審美性は低くない
  • 前歯にもおすすめ
デメリット
  • 自由診療
  • 中の金属によってアレルギーや黒ずみが生じる
  • 角度によって金属が見える
費用相場
  • クラウンのみ……7~12万円

セラミックにはさまざまな種類があり、選ぶ側にもそれぞれ基準があるため、メリットとデメリットの両方を知った上で検討することが大切です。

セラミッククラウン治療の特徴と費用

クラウンは歯を削る量も使用する素材も多く、インレーよりも費用がかかります。小嶋デンタルクリニックで取り扱っているセラミッククラウン治療について、特徴も合わせて紹介します。

オールセラミック(CEREC)クラウンの費用

CERECを使用したオールセラミッククラウンの費用は、1本につき66,000円です。

奥歯のクラウンにするには強度が低く、強く噛むと割れる可能性があるため、歯ぎしりのある人はナイトガードなどの対策が必要です。目立たない奥歯にも審美性を求める人、噛み合わせの力が強くない人に向いています。

1dayオールセラミック(CEREC)クラウンの費用

CERECを使用して1日で仕上げる1dayオールセラミックのクラウン治療の費用は1本76,000円です。

1dayでスキャンから装着まで行うため、通常のオールセラミックより費用設定が高めです。基本的には1日で装着まで済ませられる1dayですが、クラウンが必要になるような大きな虫歯は治療に時間がかかる可能性があるため、1dayでは受けられない場合があります。短期間で治療を済ませたい人や、前もって治療が終わっている人、初期虫歯程度の人に向いています。

CERECジルコニアクラウンの費用

CERECを使用するジルコニアクラウン治療の費用は80,000円です。

ジルコニアは強度があるためクラウンに使用する場合は連結してブリッジにすることも可能です。奥歯は目立たないため、ジルコニアでも十分色調の対応が可能です。

e-maxクラウンの費用

e-maxを使用したクラウンの費用は105,000円です。

e-maxは審美性の高さがありながら、噛み合わせの強い人でも奥歯に使用できる耐久性があります。さらに天然歯と同程度の硬さは噛み合わせの歯を傷つけないため、美しさと共に噛み合わせの強さに耐え得る歯が必要な人におすすめです。

ジルコニアクラウンの費用

小嶋デンタルクリニックのジルコニアクラウン(オールセラミックジルコニア)の費用は120,000円です。

高強度のジルコニアのフレームに審美性に優れたセラミックを被せており、前歯にも奥歯にも使用できます。連結・ブリッジ可能で、歯ぎしりのある方にもおすすめです。

セラミックインレー治療の特徴と費用

小嶋デンタルクリニックで取り扱っているセラミックインレー治療の費用について、特徴も合わせて紹介します。

オールセラミック(CEREC)インレーの費用

CERECを利用したオールセラミックインレーの費用は44,000円です。

セラミックの色調は天然の歯に非常に近いため、虫歯部分を削って埋めるインレーに使用すると、ほとんど違和感がありません。歯ぎしりがある場合はナイトガードでの対策が必要ですが、目立たない奥歯でも自然に仕上げたい場合に向いている素材です。

1dayオールセラミック(CEREC)インレーの費用

CERECによる1dayオールセラミックのインレーの費用は54,000円です。

虫歯治療で削る場合、初期虫歯程度や少ない本数なら治療も込みで1日で済ませられます。虫歯があまり進行しないうちにセラミック歯にするのは、抜歯のリスクを抑制するためおすすめです。

e-maxインレーの費用

e-maxでのインレーの費用は55,000円です。

e-maxは虫歯のために削る量が通常より多いことと、色調の審美性が高すぎるため天然歯との境目が分かることがデメリットです。しかしe-maxのインレーはオールセラミックのインレーよりも強度が高いため奥歯に向いており、天然歯に近い硬さのため、噛み合わせの歯を守ることができます。

ジルコニアインレーの費用

小嶋デンタルクリニックのジルコニアインレー(オールセラミックジルコニア)の費用は66,000円です。

強度の申し分ないジルコニアを芯に、目に見えるところをセラミック歯とする治療法となるため、審美性を求めながらも歯ぎしりや食いしばりがある人におすすめです。

セラミックラミネートベニア治療の特徴と費用

ラミネートベニアは、歯の表面を均一に薄く削り、同じく薄く作られたセラミックのシェルを貼り付ける治療法で、審美歯科となります。小嶋デンタルクリニックで提供しているセラミックラミネートベニアはe-maxを使用しています。以下で、セラミックラミネートベニアの費用を紹介します。

e-maxベニアの費用

e-maxによるセラミックラミネートベニアの費用は66,000円です。

美しさを回復する審美歯科で、前歯に限定されます。削る量が少なく、歯への負担を抑えつつ審美性を高められます。通常のホワイトニングは効果が現れるまで時間がかかりますが、ラミネートベニアは短期間で美しい前歯を手に入れられることがメリットです。また、すきっ歯や歯並びの矯正などにも使われます。

セラミックラミネートベニアはホワイトニングでは難しい白さも実現でき、変色が起こりにくいためより白く美しい歯を目指したい方にもおすすめです。ただし、薄いセラミックを貼っているため、歯ぎしりや食いしばりがある人は治療が受けられない場合があります。

セラミック治療の注意点

セラミック治療を受ける際は、以下のことに注意が必要です。

  • 事前にカウンセリングを受ける
  • 治療後24時間は硬いものを食べない
  • 歯ぎしり・食いしばりに対する対策が必要
  • 口腔ケアを怠らない
  • 定期検診を受ける

特にセラミック治療で定期検診は非常に重要です。トラブルを早めに発見して口内環境を良い状態に保つことは、セラミック歯の寿命を長くすることにもつながります。

セラミック治療の費用についてのよくある疑問

セラミック治療の費用についてよくある疑問について答えます。

Q:セラミック歯は保険に適用される?

A:レジンとの混合素材であるハイブリッドセラミックを除き、セラミック歯は健康保険が適用されません。ただし、審美歯科を除いた治療については、確定申告において医療費控除の対象となるため、治療の際の領収書は保管しておきましょう。

Q:セラミック歯の値段は前歯と奥歯で違いはある?

A:セラミック歯は前歯と奥歯で値段に違いがあります。一般的に、前歯の方が値段が高い傾向があります。前歯は審美性が重要であり、色味調整や設計が繊細かつ複雑になるためです。

まとめ

セラミック治療は自由診療となるため費用は高くなりますが、経年劣化が起こりにくく、天然歯のような高い審美性があることが大きな特徴です。金属を使用しないため金属アレルギーのリスクがなく、体に優しいこともメリットでしょう。二次虫歯のリスクも抑えられるため、美しさだけでなく歯の健康面から見ても優れた素材です。

静岡のセラミック治療歯科の小嶋デンタルクリニックでは、美しいだけでなく健康的な口元を実現するためのセラミック治療を行っています。今後一生使用する歯になることを考えた選択ができるよう、お手伝いをさせていただきます。カウンセリングを行っております。小嶋デンタルクリニックに、お気軽にご相談ください。

セラミックは老後まで使える?種類別の寿命や長持ちのポイントを紹介

詰め物や被せ物をする際の補綴物には、銀歯やプラスチックの他に、丈夫で美しい仕上がりのセラミックを選ぶことができますが、老後までもつのか心配する人も少なくないでしょう。

この記事では、さまざまなセラミックの寿命や、長く使う上での注意点、長持ちさせるポイントを紹介します。セラミックを長く使うために知っておきたいことをこの記事で確認し、セラミック歯の寿命を延ばしましょう。

そもそも歯の素材の寿命はどのくらい?

虫歯治療をする際に使用される歯の補綴物はさまざまありますが、そもそもそれらの寿命はどのくらいなのでしょうか?以下は大きく分けた歯の素材の、それぞれの寿命です。

  • プラスチック……約5年
  • 銀歯……約5〜7年
  • ブリッジ……約8年
  • セラミック……約10年

歯の補綴物は平均的な寿命はありますが、日々のケアや生活習慣など、使い方によってはこの限りではありません。

セラミックの種類によって寿命に違いがある

セラミックの補綴物には、以下のようなメリットがあります。

  • 保険診療のものと比べて色数が多く自然な色に仕上がる
  • ツルツルしていて汚れが付きにくい
  • 生体親和性が高く二次虫歯や歯周病になりにくい
  • 経年劣化が起こりにくい

セラミックには、以下のようなさまざまな種類があります。

  • オールセラミック
  • ジルコニア
  • メタルボンドセラミック
  • ハイブリッドセラミック
  • ラミネートベニア

これらは同じセラミックでも種類によって寿命に違いがあります。また、セラミック自体は寿命を迎えていなくても、加齢や治療などで噛み合わせが変化すると、作り直しが必要になる場合があります。以下からは各セラミックの寿命と詳しい特徴を紹介します。

オールセラミックの寿命

純度100%、セラミック素材だけを用いたオールセラミックの寿命について紹介します。

オールセラミックとは

オールセラミックは100%セラミックの素材で、色合いや形の自由度が高いという特徴があります。金属が含まれないため金属アレルギーの人も使用が可能で、天然歯に近い透明感があり審美性に優れています。特に美しく見せたい前歯や、審美性を重要視する人などの場合はオールセラミックが向いています。

オールセラミックの寿命は10〜15年

オールセラミックの寿命は10〜15年と長く経年劣化はしにくいですが、寿命年数まで使い続けていると損耗によって破損する可能性はでてきます。オールセラミックは陶器で作られており割れる心配があるため、歯ぎしりや食いしばりの強い力で噛む癖がある場合、対策が必要です。オールセラミックは一般的に他のセラミックより費用設定が高めのため、長い寿命を活かせるよう大切に使用することをおすすめします。

ジルコニアの寿命

ジルコニアは、人工ダイヤモンドと言われているジルコニアを使用しています。ここでは、ジルコニアの寿命について紹介します。

ジルコニアとは

ジルコニアはセラミックの一種で、人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど強度と耐久性に優れた素材です。

高い強度を持つため大きな力がかかる奥歯や歯ぎしり・食いしばりがある場合にも使用可能ですが、しかしその硬さゆえに噛み合わせる歯を傷つけないための研磨や調整が難しいという点もあります。また、審美性については従来のジルコニアの場合、光の透明度が低い点があるため自然な色味の表現ができませんでした。

しかし近年では、より審美性に優れたジルコニアも登場しています。小嶋デンタルクリニックで取り扱っている「オールセラミックジルコニア」は、ジルコニアのフレームにセラミックを被せた素材です。審美性と強度の両方が期待できるオールセラミックジルコニアなら奥歯だけでなく前歯にもおすすめです。

ジルコニアの寿命は10〜15年

ジルコニアの寿命はオールセラミックと並んで10〜15年と長く、さらにジルコニアには損耗に強い特徴があります。

セラミックは経年劣化はほとんどしないとはいえ、使用しているうちに小さな傷やすり減り・欠けなどが生じる可能性がないとはいえません。しかしジルコニアには小さなヒビや割れが入った場合に、体積膨張で埋めることにより被害の広がりを抑えるという特徴があるため、耐久性に優れています。大切に使用すれば寿命の15年を全うし、それ以上の使用も期待できるかもしれません。

ハイブリッドセラミックの寿命

ハイブリッドセラミックは、保険適用の素材であるレジンと適用外のセラミックの混合素材ですが、正確にはセラミックとは別物です。ここでは、ハイブリッドセラミックの寿命について紹介します。

ハイブリッドセラミックとは

ハイブリッドセラミックはレジンのみの場合と比較すると柔軟性と割れにくさがある素材で、金属アレルギーの心配もありません。硬すぎないのはメリットですが、レジンの成分を含む分強度や耐久性は劣るため、特に奥歯での使用や歯ぎしりがある人の使用については注意が必要です。

色調についても透明感や色数が限られており、レジンが含まれていることから変色が起こることがあります。ハイブリッドセラミックは一定の条件を満たすことで、保険適用となることがあります。

ハイブリッドセラミックの寿命は7〜8年

ハイブリッドセラミックの寿命はセラミックに比べると約半分の7〜8年です。

柔軟性があり比較的長く持ちますが、その反面削れやすいため、摩耗や噛み合わせの変化によって作り変えが必要となる場合があります。セラミックと比べると、歯垢が付きやすい・二次虫歯のリスクが高いなど、口腔内の状態で寿命が短くなる場合も考えられるため、普段のケアをしっかり行うことが必要です。

メタルボンドセラミックの寿命

メタルボンドセラミックとは、内側は金属・外見はセラミックの被せ物です。メタルボンドセラミックの寿命について紹介します。

メタルボンドとは

メタルボンドは金属のフレームにセラミックを焼き付けることで金属の強度を兼ね備えたセラミックです。高い耐久性がある一方、以下のようなデメリットがあります。

  • 金属部分が見えることがある
  • 金属アレルギーのリスクがある
  • 金属イオンが溶けだして歯茎が黒ずむことがある
  • 金属が透けて見えることがあり審美性はオールセラミックに劣る

メタルボンドは、セラミックが表面だけのため強い力で噛んだ場合に割れたり剥がれたりすることがありますが、フレームが無事であれば修復が可能です。

メタルボンドの寿命は8〜10年

メタルボンドは強度が高くブリッジにも耐えられる素材のため、寿命は8〜10年と長めです。虫歯や歯周病の進行など、口腔内の状態の悪化などで寿命が縮まる可能性はありますが、外側がセラミックで歯垢が付きにくいため、ケアをしっかり行えば寿命を延ばすことも可能です。

ラミネートベニアの寿命

ラミネートベニアはセラミック素材の種類ではなく、歯の表面を削って薄いセラミックを貼り付ける審美性の高い治療法です。ラミネートベニアの寿命について紹介します。

ラミネートベニアとは

ラミネートベニアは歯の機能を回復する治療ではなく審美性を高める治療で、少ない通院回数で短期間で白い歯にできるメリットがあります。セラミックを使用するため変色が起こりにくく、人前に出る機会が多い人・短期間で歯を美しくしたい人に向いています。

ラミネートベニアの寿命は10〜20年

ラミネートベニアは10〜20年が平均的な寿命と考えられていますが、セラミック自体の寿命は長くても接着剤などが劣化する場合があります。接着剤の劣化は約4〜5年が目安ですが、近年は研究・開発が進んでいるため、それ以上の効果が期待されています。

また、表面に貼り付けるという技術のため、歯ぎしり・食いしばりがある人には向いていません。ナイトガード(マウスピース)を使用するなど対策をし、ベニアが剥がれやすい噛み方をしていないかチェックしてもらうなど、長持ちさせる使い方が必要です。

セラミックを長く使う上での注意点

もともと寿命が長めのセラミックですが、より長く使うための注意点を紹介します。

セラミックが欠けたり割れたりしたら受診する

セラミックは、歯ぎしりや噛みしめ・硬い物を噛むことなどで欠けたり割れたりすることがあります。少しでも欠けたり割れたりしてしまった場合、または外れてしまった場合、修理や再装着で対応できるケースもあるため、早急にクリニックを受診しましょう。

金属があると歯茎が黒ずむことがある

セラミック治療で歯の土台に金属が入っていたりすると、金属イオンが溶けだして流出し、歯茎が黒ずむことがあります。オールセラミックに変えるなど、金属を使用しないことで徐々に治っていきますが、レーザー治療で黒ずみを取り除く方法もあります。金属ではなく虫歯が原因の場合もあるため、黒ずみに気付いたらまず受診しましょう。

加齢や虫歯・歯周病による口腔内の変化に注意する

セラミックを使用すると歯の表面がツルツルになるため虫歯のリスクは下がりますが、全く虫歯にならないわけではなく、また歯周病のリスクもゼロにはなりません。

歯並びや噛み合わせの変化、歯茎が下がるなどでセラミックの適合が悪くなると、作り直しになってしまう可能性もあります。口腔内の変化には十分注意し、違和感や気になる点があったら早めに受診しましょう。

セラミックを長持ちさせるポイント

セラミックをなるべく長持ちさせるためのポイントを紹介します。

しっかりセルフケアをする

セラミックは虫歯になりにくい素材とはいえ、セルフケアは天然歯同様、しっかり行うことが基本です。傷を付けない柔らかい歯ブラシはもちろんのこと、ナイトガード(マウスピース)、フロスや歯間ブラシなどで、セラミックの汚れや損耗の予防に努めましょう。

丁寧なセルフケアは残っている天然歯の虫歯・歯周病予防にもつながります。セラミックの寿命を延ばすためには、正しいセルフケアが基本です。

素材を吟味する

セラミックを選択するなら、治療法も素材もしっかりと吟味しましょう。セラミックにはいくつかの種類があり、審美性や強度、使用している素材などが異なります。セラミック治療を受ける際は、技術や経験・知識が豊富なクリニックを選び、患者さんの希望に沿った素材を一緒に検討・選択してもらいましょう。

定期検診を受ける

セラミック治療を受けたら、3ヶ月〜半年に1回は定期検診を受けましょう。

定期検診では、セラミックの割れや欠け・歯周病・歯垢や歯石の除去・噛み合わせの確認や調整などのチェックが受けられます。天然歯の予防歯科検診も合わせて行えば、虫歯や歯周病の早期発見につながります。セラミックを良好な状態にしておくためにも、定期検診は必ず受けましょう。

まとめ

老後になると歯の状態も悪くなっていくため、セラミックを長持ちさせるためにも定期検診を受けて、歯の状態を確認しましょう。静岡のセラミック専門歯科 小嶋デンタルクリニックは、開院以来多くのセラミック治療を行い、駿河区の中でも多くの実績があります。セラミック治療には技術力や経験値を必要とする治療もあるため、信頼できるクリニックでの治療を検討する必要があります。老後まで長持ちするセラミックについて、ご相談だけでも結構です。お問い合わせをお待ちしております。

オールセラミックとジルコニアの違いとは?選ぶ目安や注意点など紹介

虫歯治療の後や銀歯を白い歯に替えたい場合に候補に挙がる『オールセラミック』と『ジルコニア』。歯科医師にすすめられはするけれど、違いが分からず迷う人も多いでしょう。

この記事では、オールセラミックとジルコニアの違いを、見た目や強度・費用など、多角的に紹介します。どちらにもそれぞれの美しさや良さがあり、向いている使い方があるため、検討の際の参考にしてください。

オールセラミックとジルコニア

オールセラミックとジルコニア

オールセラミックとジルコニアは、治療で歯を削ったり目立つ銀歯を取り替えたりする際に使用される素材で、天然歯に近い美しさがあることが大きな特徴です。詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)などに使用し、オールセラミックやジルコニアの他にも、さまざまな素材があります。

  • パラジウム合金(銀歯)
  • 金合金(金歯)
  • コンポジットレジン(プラスチック)
  • ハイブリッドセラミック(セラミックにプラスチックを混ぜたもの)
  • メタルボンド(セラミックと金属)
  • オールセラミック
  • ジルコニア

この中でもオールセラミックとジルコニアは、天然歯のような美しい見た目に仕上げたい場合に選ばれる審美性の高い素材です。どちらもセラミックですが硬さや色などにそれぞれのメリットがあります。

セラミックと他の素材との違い

オールセラミックとジルコニアは、他の素材と比べて以下のような点で優れています。

  • 口の中で化学反応を起こさない
  • 変色、金属などで起こる歯肉の黒ずみなどがない
  • 強度・審美性・耐久性がある

他の素材には経年劣化や化学反応による変化が見られるものもありますが、オールセラミックとジルコニアは長期間の使用に耐え、その間にも美しさを損ないません。

オールセラミックとジルコニア │ 見た目の違い

セラミック 色見本

オールセラミックとジルコニアはどちらもセラミックですが、審美性からいうとオールセラミックの方が天然歯に近い自然な美しさに仕上がります。ここでは、オールセラミックとジルコニアの見た目の違いについて紹介します。

色調の調整

取り扱っている色数はクリニックによって違いはありますが、オールセラミックの方が選べる色の数が多く、より自然な歯の色を選べます。

オールセラミックの色調は5系統あり、それぞれがさらに複数色に分かれています。また、周囲の歯との調和や室内光・自然光、年齢や性別、肌の色との相性など、さまざまな条件を考慮して色を医師とともに選びます。ただ白いのではなく不自然ではない白さが人の歯の美しさには必要です。

透明感

セラミックは光を透過するため、透明感ある自然な歯の色合いを表現することが可能です。

人間の歯の美しさは透明感と切り離せないこと、ジルコニアは発色が良い分透明感が少ないことなどから、審美性ではオールセラミックの方が優れています。しかし最近ではジルコニアも改良が進んでおり、透明感を持つものも登場してきています。

前歯に向いているのはオールセラミック

前歯には、ジルコニアよりも色数が多く天然歯に近い透明感のあるオールセラミックの方が向いているでしょう。

ジルコニアも前歯として問題のない色の表現は可能ですが、オールセラミックに比べるとやや劣ります。しかし近年では、ジルコニアのフレームに審美性に優れたセラミックを被せた「オールセラミックジルコニア」も登場しています。医師と相談して希望に合った素材を選びましょう。

オールセラミックとジルコニア │ 強度の違い

ジルコニアは「人工ダイヤモンド」と呼ばれる非常に硬いセラミックです。

オールセラミックもジルコニアも、寿命はどちらも10年前後と長く使用できる丈夫な素材ですが、噛んだ際の衝撃にどの程度耐えられるかも重要です。ここでは、オールセラミックとジルコニアの強度の違いを紹介します。

硬さの違い

ジルコニアは「人工ダイヤモンド」と呼ばれる非常に硬いセラミックです。

金属元素であるジルコニウムの酸化物『二酸化ジルコニウム』が主成分で、金属に匹敵するほどの硬さを誇ります。耐久性にも優れているため、人工関節やスペースシャトルの外壁、歯科業界では被せ物だけではなくインプラントの歯根構造にも応用されています。

噛み合わせる歯とのバランス

オールセラミックは、硬さがエナメル質に似ているため、噛み合う歯を傷つけにくいことが特徴です。

セラミックの中では一番硬いジルコニアは、噛み合わせる歯とのバランスを考える必要があります。特に噛み合わせが悪い場合、他の天然歯が欠けてしまうケースがあります。しかし適切に調整して仕上げることで、ジルコニアの硬さによる問題を防ぐことが可能です。

奥歯に向いているのはジルコニア

ジルコニアは色数の選択肢がオールセラミックほど広くはありませんが、その強度は強い力がかかる奥歯に適しています。

目に付く歯ではないため多少の色の違いも目立たず済むのも奥歯におすすめの理由です。また、激しいスポーツをしている・歯ぎしりや食いしばりなどの習慣があるなどの場合はオールセラミックを選択すると割れてしまう場合があります。そういった場合には、ジルコニアがおすすめです。

オールセラミックとジルコニア │ 費用の違い

オールセラミックとジルコニアの費用の違いについて紹介します。高額なイメージですが、長期的に考えた場合のメリットがあります。

どちらも自費診療

オールセラミックもジルコニアも共に保険が適用されない自費診療です。

歯の補綴物には保険診療のものもありますが、保険で使用される素材は二次虫歯になる確率が高い・寿命が短いなど、治療後にも費用がかかる可能性があります。例えば銀歯は温度変化による膨張・収縮が繰り返されることと、保険適用で使用できる接着剤の接着力が低いため隙間が生じやすく、二次虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

一方、オールセラミックやジルコニアは、熱や吸水による変形がしにくく隙間ができにくいため、二次虫歯や歯周病のリスクを低減でき、ケアを正しく行えばその寿命は約10〜15年以上となることもある素材です。クリニックによって費用設定は異なりますが、大体の目安としては以下です。

オールセラミック(e-max)
  • 詰め物:6万〜8万円
  • 被せ物:8万〜22万円
ジルコニア
  • 詰め物:4万〜7万円
  • 被せ物:10万〜20万円
オールセラミックジルコニア
(ジルコニアにセラミックを被せたもの)
  • 詰め物:7万〜9万円
  • 被せ物:9万〜23万円

オールセラミックジルコニアは、ジルコニアの強度を持ちながらもセラミックの自然な透明感があることが特徴で、前歯にもおすすめの素材です。

小嶋デンタルクリニックでは、審美性の高いオールセラミック(e-max)に加え、オールセラミックジルコニアからお選びいただけます。

見積もりを取るのがおすすめ

オールセラミックやジルコニアのような自費診療(自由診療)の場合はクリニックによって費用設定が違うため、事前に見積もりを取ったうえでの比較検討をおすすめします。自費診療は患者自身の希望に合った治療法を自由に選択できることがメリットです。内容にも費用にも納得したうえで治療を受けられるよう、事前の確認は重要です。

オールセラミックとジルコニア │ 向いている人

オールセラミックとジルコニアの、それぞれに向いている人を紹介します。

審美性を重要視するならオールセラミック

  • 「前歯の治療をしているので、できれば美しい歯にしたい」
  • 「せっかくだから、自前の歯と全く同じ色の歯にしたい」

このように前歯を美しくしたい人・より審美性を重要視する人は、多彩な色数と透明度が表現できるオールセラミックが向いています。

強度や耐久性を重要視するならジルコニア

  • 「奥歯の治療だから強い素材を選びたい」
  • 「歯ぎしり・食いしばりの習慣があるから、負けない歯にしたい」

このように治療後の奥歯を強度の高いものにしたい・なるべく長く使いたいという場合はジルコニアが向いています。

強度も美しさも兼ね備えたオールセラミックジルコニア

  • 「美しさだけでなく耐久性の高い歯にしたい」
  • 「噛み合わせが強いため丈夫な素材を選びたい」

このようなご希望をお持ちの方には、オールセラミックジルコニアがおすすめです。オールセラミックジルコニアは、強度の高いジルコニアフレームにセラミックを被せることで、耐久性と自然な見た目を実現しています。

オールセラミックは透過性が高く、自分の歯の変色、芯棒に金属を使用していると透けて見えてしまうことがありますが、オールセラミックジルコニアの場合はより自然に仕上がります

セラミックを選択した際の注意点

オールセラミックとジルコニアはどちらもセラミック素材のため、共通する注意点があります。最後に、長く大切に使うための注意点を紹介します。

もし取れたら捨てずに保管・速やかに受診

詰め物や被せ物が外れた場合は再装着できる可能性があるため、捨てずに保管して速やかにクリニックを受診しましょう。

軽く歯ブラシをかけて保管し、ケースやジッパー付きの袋に入れて保管します。ティッシュに包んで保管すると間違えて捨ててしまうため厳禁です。セラミックが取れた歯は無防備となり、二次的なトラブルを引き起こす場合があるため、まずは主治医に連絡を取り必要であれば予約するなど、早い対応が必要です。

治療後1日は硬いものを避ける

セラミックの接着にはレジンセメントという専用の接着剤を使用するのが一般的で、光によって固まる性質のものですが、完全に固定するまでは時間がかかります。

セメントの種類によっては完全に固まるまで1日はかかるものもあるため、硬いものは食べないようにし、反対側の歯で食事をするようにしましょう。

セラミックの装着直後は、適切な位置に装着されている場合でも、歯間にキツさや違和感を感じる場合があります。ほとんどは数日で慣れるものですが、気になっても治療部位には触れないようにしましょう。

柔らかい歯ブラシを使用する

セラミックの歯を長持ちさせるには、柔らかめかあるいは普通の硬さの歯ブラシを使用して磨きましょう。硬めの歯ブラシを毎日使用すると目に見えない細かな傷がついて、セラミックの破損の原因になる場合があります。

硬めの歯ブラシはセラミックの歯だけでなく、歯肉も傷つけます。硬さや強さで汚れを落とそうとせず、小刻みに動かす優しいブラッシングで磨きましょう。

ブラッシングは丁寧に

セラミックは汚れが付着しにくい素材ですが、歯と歯肉の境目や歯間などの汚れを丁寧に落とすことが大切です。歯ブラシ以外にも、フロスやタフトブラシも併用すると効率よく効果的に磨けます。

「フロス→歯磨き→タフトブラシ」の順に磨きましょう。

歯ぎしりなどがある場合は対策が必要

歯ぎしりや食いしばりはセラミックの歯でも欠けや割れの原因となるため、ナイトガードがおすすめです。

ナイトガードは就寝中に装着するマウスピースで、歯への負担を軽減できます。ナイトガードは保険適用で製作可能です。歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、セラミック治療後に作ってもらいましょう。

定期的なメンテナンスが長持ちの秘訣

セラミック治療後は、定期的にクリニックでメンテナンスを受けることで、セラミックの美しさや機能を長持ちさせることにつながります。

セラミックのメンテナンスでは特殊な機械で汚れを落とし、歯と被せ物の間の異常もチェックします。汚れがつきにくい素材でも、落としきれない汚れを放置するのは虫歯のリスクを高めるため、定期メンテナンスはしっかり行いましょう。

まとめ

保険診療での治療は、費用は抑えられますが素材の経年劣化や見た目の面が気になります。また、被せ物の下で引き起こされる二次虫歯は自覚症状がない場合も多く、発見が遅れがちのため抜歯の可能性と背中合わせです。

治療後の経過を考えたとき、生体親和性が高く変形の少ないセラミックの使用は二次虫歯や変色など治療後のさまざまなリスクを低く抑えます。静岡のセラミック治療歯科・小嶋デンタルクリニックでは、

  • 審美的に優れ割れにくい「オールセラミックe-max」
  • ジルコニアの強度とオールセラミックの自然な美しさをあわせ持つ「オールセラミックジルコニア」

これらでの治療を承っております。

セラミック治療を検討中の方、歯のことでお困りの方は静岡のセラミック治療歯科・小嶋デンタルクリニックにお気軽にご相談ください。Web予約にてカウンセリングを受け付けております。